no-image
心の病気・発達障害など

アスペルガー障害

発達障害のひとつ「アスペルガー障害」

近年、よく耳にするようになった障害名のひとつに「アスペルガー障害」があります。「アスペ」と呼ばれることが多いので、こちらの名称にすると「知っている」という人が増えるかもしれませんね。

アスペルガー障害は、「発達障害」の中の自閉症のひとつ。

ただ、知的な遅れのある「自閉症」、知的障害はないけれど言語の遅れが見られる「高機能自閉症」とは違い、知的にはむしろ高いタイプで言語も堪能な人が多いです。

このため、アスペルガー障害は見つけにくく、専門医でさえ診断が難しいと言われています。

知的障害のあるカナータイプのある自閉症や、高機能自閉症の場合は発達段階で「言葉の遅れ」が見られるため、早くに発見されることが多いです。でも、アスペルガー障害の場合はそれがないために、なかなか障害が見つからないということが多いとか。

ここから、アスペルガー障害の難しさがよく解ります。

外見からは障害とはわからない

アスペルガー障害は「コミュニケーションの障害」です。

自閉症であるかどうかの概念に「三つ組み」というものがありますが、これは「コミュニケーションがうまくとれない」「創造力がない」「こだわりが強い」というものがありますが、アスペルガー障害はこの3つが揃って初めて診断されます。具体例を挙げると、知能が高いために言葉はどんどん覚えますが、意味が解っていない。こだわりが強く、いつも決まった順番で動かなければパニックを起こす。これは「道順」に例えると解りやすいですが、アスペルガー障害の場合は「今日はこちらから帰ろうね」という道順の変更に難色を示す場合があります。1人でどんどん喋ってしまい相手の話を聞かなかったり、人の体型のことをはっきりと口に出してしまったり、本当にいろいろな意味で「生きにくさ」を抱えている障害です。周囲から見ると「わがままな子」に映りますが、わがままだからこうなっているわけではなく「障害だから、そういう行動をせざるを得ない」ということを周囲が理解し、いい方向に導いてあげなければなりません。

発達障害の難しさ

発達障害は、その診断の難しさから専門医でも簡単に診断名をつけることができないほど。

特にアスペルガー障害の場合は発見が難しいので、周囲が気づいて受診をすすめるなどの工夫が必要です。外見は他の子供とまったく変わらないことから、アスペルガー障害は理解されにくい障害ですので、周囲がきちんと見て支えてあげることが必要なのではないでしょうか。