米国で全面規制にもなった食品
マーガリンはバターと違って動物性の脂質を使っていないことから、手軽な代替食品として長く使われてきました。
ところが2008年より米国NYでマーガリンに含まれているトランス脂肪酸の危険性により、全面的に使用を禁止するという規制が出されてから評価は一変しました。
日本においても「マーガリンは実はプラスチックでできている」「将来がんになる」というような都市伝説的な話は以前から伝えられてきたのですが、いよいよ本格的にマーガリンが健康にとって有害であるという調査結果が出たことでそうした話も信憑性を増していきました。
なお日本においてはマーガリンのシェアでナンバーワンであった雪印が別件の不祥事で大きく信頼を損なったことも、多少なりともマーガリンは害であるという評価を高くしたきっかけになっていたようです。
トランス脂肪酸とは何か?
まず先に誤解をといておくと、マーガリンは「食べるプラスチック」と呼ばれることはあっても、本当にプラスチックでできているというわけではありません
マーガリンの原材料は植物性および動物性の油脂であり、そこに食塩や粉乳と水を加えて作られています。
これはマーガリンの成分を分析する実験の過程で、腐食や虫の寄り付きが見られなかったことから「まるでプラスチックだ!」といった実験研究者の言葉が大げさに解釈されたせいです。
しかしマーガリンに危険な成分であるトランス脂肪酸が含まれているということは事実です。
トランス脂肪酸とは人工的に作られた脂肪分のことで、摂取をすることで心筋梗塞のリスクを急激に高めることが報告されています。
まだ完全に病気とマーガリンとの因果関係がはっきりわかっているわけではありませんが、マーガリンが発売されるようになった時期と同時に発症した重大疾病はいくつかあり、現在では世界各国で製造販売を制限する動きが出ています。